こんにちは、島谷です。

臨床心理士であるyama先生による発達障害についてのコラムをお届けしています。
今回は第3回、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の特徴についてです。

第1回:発達障害ってなんだろう?
第2回:発達障害の1つ、自閉スペクトラム症とは?
第3回:注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の特徴って?←今回はこちら

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第1回目から発達障害をテーマにコラムを書かせていただいております。
第3回目の今回は、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の特徴について詳しくみていきたいと思っています。

まずは注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴からお話ししていきます。
最近メディアでも見聞きすることの多いADHDですが、どんな特徴があるでしょうか。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

ADHDの特徴として大きく分けると、不注意、多動性、衝動性の3つがあります。
それぞれ、具体的にはどんな特徴があるのかみていきたいと思います。

不注意:集中が続きにくく、気が散りやすい。

たとえば
・周りの音などに反応して目の前のことに集中できず、一つのことを最後までやりとげるのが難しい
・自分の興味のあることをボーっと考えていて、上の空のようにみえる
・必要なものをどこに置いたか忘れてしまったり、なくしてしまったりする  など

多動性:動いていないと気持ちが落ち着かない。無意識のうちに体が動いてしまう。

たとえば
・座っていてもそわそわしている。
・気になるものがあると待てずに、すぐそちらに向かって行ってしまう
・一方的に話し続けたり、話の内容がころころ変わったりする  など

衝動性:思いついたらすぐに動いてしまい、結果を考えてから行動することが難しい。

たとえば
・横入りをしてしまい、順番を守れない
・知っていることを言わなければ気が済まない(他の子が答える番でも先に答えてしまう)
・気になったものがあると触らずにはいられない    など


これらの特徴は、どんなお子さんにも多少あてはまるところがあるのではないかと思います。
何度注意してもこれらの行動がおさまらない場合や、これらの行動によって日常生活で困ることが多くある場合にADHDの可能性を考えます。
具体的にはADHDは、このような特徴が12歳になるまでに、6か月以上継続して家庭や、園、学校などの2か所以上で見られる場合に診断されます。


また、これら3つの特徴の現れ方は様々です。不注意の特徴が極端に現れることもあれば、いくつかの症状が同じくらいの程度で現れることもあります。

ADHDの特性をもつお子さんたちは、元気で活発な子が多いです。
彼らは決してふざけているわけではありませんし、決まり事やルールを理解できていないわけでもありません。理解はできていて、本人も決まりを守ろうと努力しようとしているのですが、気になることがあると、自分の行動をコントロールすることが難しいので、結果として“ふざけている”とか、“理解できていない”と思われてしまいがちです。

行動が目立つことも多いので、どうしても怒られたり注意されたりすることが増えてしまいますが、本人もわざとやっているわけではないので、自分自身でもとっても困っているが多いのです。

学習障害(LD)

次に学習障害(LD)の特徴についてみていきます。LDは教育的な学習が始まる学齢期になってから目立ち始めることが多い障害です。

LDとは教育的定義では「学習障害(Learning Disabilities)」と呼ぶことが多いですが、医学的定義では「限局性学習症(Specific Learning Disorder)」と呼びます。

教育的定義では学習には、読む、書く、計算する、聞く、話す、推論するの基本的な6つの能力が必要であると考えられていますが、LDの子どもたちは、これらの能力の中の一部にのみ極端に困難を示します。
特徴的なのは、他の事は特に問題なく周囲から遅れずに取り組むことができるのに、ある特定の能力に関する物だけが、一生懸命努力をしても練習をしても習得が難しいということです。

例えば、読むことが難しい子どもたちの中には、授業で教科書を一人一文ずつ音読して読み進めていく時に、一生懸命教科書をみていても今どこを読んでいるのかが分からず、自分の番がきてもスムーズに読み始めることができないという子もいます。
書くことが難しい子どもたちの中には、どんなに練習しても左右反対の鏡文字を書いてしまったり、「わ」と「れ」のような形が似た文字を使い分けられずに書き間違えたりする子もいます。

LDの子どもたちは他のことはできているのに、特定のことだけができていないようにみえるので、周囲からは“努力不足”とか“やればできる”と思われてしまいがちで、LDだと気づいてもらえるまでに時間がかかることもあります。

LDの特性を持つ場合、他の子と同じように同じやり方で学習をしても苦手な部分の力は十分には伸びていきません。
どの能力にどんな困難さがあるのかをしっかりと把握し、その困難さにあった学習の仕方や支援の方法を考え、工夫して対応することがとても大切なのです。

さいごに

前回の第2回と今回の第3回で発達障害の中から、自閉スペクトラム症、ADHD、LDの特徴についてお話をしてきました。
もちろんここに書いてあることが全てではありませんが、このコラムを読んで下さったみなさんが、今までより少しでも発達障害について知ってくださったなら嬉しく思います。


発達障害の特性を持つお子さんは、時に保護者の方や周囲の人を怒らせてしまうような行動をとってしまうこともあるかもしれません。しかし、それらの行動はわざとやっているわけではありませんし、困らせようとしてやっているわけでもありません。

お子さんに何か気になる行動があった時、こういう時はこうすればいいという正解があるわけではありません。
だからこそ、“他の子はできているのに”と誰かと比べるのではなく、その子自身をみつめて、どんな所が苦手でどんなところに困っているのか、一つ一つ探っていきながら、その子にあった関わり方の工夫やサポートを考えていきたいですね。

それでは、今日はここまで。

さて次回は、相談機関についてと発達障害の特性をもつ子どもへの基本的な関わり方についてお話していきたいと思います。

参考文献:発達障害の子どもの心と行動がわかる本 田中康雄(監修)
     ケース別 発達障害のある子へのサポート実例集 小学校編 上野一彦、月森久江

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