第1回目から発達障害をテーマにコラムを書かせていただいております。
最終回、第4回目の今回は、相談機関についてと発達障害の特性を持つ子ども達への基本な関わり方についてお話ししていきたいと思っています。

誰に相談したら良い?

日々お子さんと暮らしている中で”気になるな、育てにくいな”と感じたり、お子さんが同年齢の子どもと一緒にいる姿をみて、あれ?と心配になったりすることがあるかもしれません。

困ったな・心配だなとは思っても、いきなり専門の相談機関に行くのはちょっと……という方も多いかと思います。

そんな時はまず、かかりつけの小児科医や、就学前のお子さんであれば、乳幼児健診の時に保健師さんに相談するのが良いと思います。他にも、普段のお子さんの様子を見てくださっている、園や学校の先生に相談してみるのも良いかもしれません。
お子さんのことで困っていることや、心配なところを伝えてみてください。
必要に応じて、専門機関を教えてもらえたり、対応の工夫を考えてもらえたりすると思います。

自分で専門機関を探したいという方は、まずお住まいの地域に、児童精神科や小児神経科のある病院、発達に詳しい小児科のクリニックなどがないか、調べてみると良いと思います。また、各都道府県や市町村のホームページに、地域の相談機関や発達障害を扱う病院の一覧などが載っていることもあるので、そちらも参考にされると良いかもしれません。こういった相談機関や病院などに相談に行くと、お子さんのこれまでの成育歴や困っていることについて詳しくきいてもらえます。

併せて、お子さんの発達検査や知能検査も実施する場合もあります。

初めて相談する時は、誰でも不安で勇気が要ると思います。でも、一人で悩むよりも誰かに聞いてもらうことで少し安心できることがあります。また、必要ならばその子の特性や、特性に併せた対応を早いうちから知っておくことはとても大切なことです。

お母さん、お父さんにとってもお子さんにとっても、困ったときにサポートしてもらえる、信頼して相談できる場所があることは大きな安心感につながりますから、じっくり選ばれると良いと思います。とは言っても、一度相談したらずっとそこでみてもらわなければいけないということは決してありません。残念なことではありますが、合わないなと感じれば、改めて相談場所を考えればいいのです。

関わり方の基本

それでは、ここからは発達障害の特性をもつ子ども達への基本的な関わり方についてお話していきます。

これまでのコラムを読んで下さったみなさんには、お分かりいただけると思いますが、発達障害と一言でいっても、1つに集約できるものではありませんし、お子さんによって持つ特性は様々です。ですから、それぞれのお子さんにあった対応や工夫は、お子さんの数だけ存在すると思います。

そのため、これからお伝えする関わりが、どの子にとってもベストとは言えませんが、発達障害の特性を持っているか持っていないかに関わらず、どんなお子さんにもお勧めしたい関わりの基本を少しだけ紹介したいと思います。
※関わり方はお子さんの発達年齢によっても変わってきますが、ここでは未就学のお子さんを想定してお話しさせていただきます。

ポイント 

  • 否定ではなく肯定で
  • 具体的に分かりやすく伝える

ケース1:走ってはいけない場所で子どもが走っています

こんな時、なんと声をかけますか?

つい、「走っちゃダメ!」と言ってしまう人も多いのではないかと思います。こういう時は、例えば「歩きます」と声をかけてみましょう。「○○してはダメ」と言われても、子どもは“じゃあどうしたらいいの?”と困惑してしまいます。ですから、禁止の形で伝えるのではなく、代わりにしてほしい事、どうしたらいいのかを伝えてあげましょう。

ケース2:病院の待合室や公共交通機関の中で、子どもが大きな声で話しています

こんな時はなんと声をかけましょう?「静かにしなさい!」でしょうか。

こういう時は、できるだけ具体的に、どうしたら良いかを教えてあげるのが良いでしょう。「ネズミさんの声で」とか「1の声で」とか言い方はその子に分かる表現で構いませんが、どんな声のボリュームで話したらいいかを教えてあげましょう。その時、声をかけるお母さんお父さんも、ヒソヒソ声で伝えてあげると、より分かりやすいと思います。

ケース3:公園に遊びにいって、もう帰る時間なのになかなか遊びをやめられない

こういう場合、「もう帰るよ!」とか「時間がないのよ」等と言ってみても、なかなかスムーズに切り替えられないお子さんは多いのではないかと思います。

こんな時は例えば、(滑り台なら)「あと○回滑ったら帰ろうね」とか「帰って○○しようね」と声をかけてあげましょう。具体的な回数を提示したり、帰ったら○○ができると次の展開が分かることで、見通しを持つことができます。またこの時、「滑り台楽しいね。じゃあ、あと○回滑ったら帰ろうね」とか「もっと遊びたいね。よし、帰ったら○○しよう」という様に、最初に子どもの気持ちに共感し、気持ちを代弁してあげるような一言があるとより良いですね。

ポイント

  • すぐにしっかり褒める

声掛けによってお子さんが適切な行動をとれた時は、できるだけ時間をあけず、すぐにしっかり褒めてあげましょう。

こういうと、“褒められるためにやるみたいになってしまわないの?”と思う方もいるかもしれません。もちろん、最終的には褒められなくても当たり前にできるようになるというのが理想です。でもまずは、どうしたら良いのかをきちんと教えてあげて、上手くできたらそれをフィードバックしてあげることがとても大切です。

叱られることが増えると、反対に行動がエスカレートしたり、何をやっても叱られてばっかりと意欲が下がったりします。“もっと褒められたい”という意欲的な気持ちは、子どもにとってとても大事で必要な気持ちだと思います。

どうやったらこの子にもっと伝わりやすいかな?と作戦を立ててみたり、どんな風に褒めると嬉しそうにするかな?と研究してみたり、楽しみながらお子さんにあった対応の仕方を見つけていけるとよいですね。


さて、全4回にわたって発達障害についてお話しをしてきました。
ここで触れさせていただいた発達障害の子どもたちの特徴等は、ほんの一部です。繰り返しになりますが、一番大事なのはお子さんの特性を理解し、お子さん自身が何に困っているのか、何が苦手なのかを知り、どんな風に対応するとより力を発揮できるのかを考えていくことだと思います。

まだまだお話できていないこともたくさんありますが、このコラムが、発達障害について関心を持って下さった皆さんにとって、少しでもお役に立てたならば大変嬉しく思います。

▼過去の記事
【臨床心理士監修】第一回:”発達障害”ってなんだろう?
第2回:発達障害の1つ、自閉スペクトラム症って?
第3回:注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の特徴って?

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