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こんにちは。江崎です。 前回は土斐崎より、乳歯の虫歯についてと正しい歯磨きの仕方についてご紹介いたしました。

虫歯予防に1番大切だといわれているのは、日頃のケア。 歯磨きは毎日行うものなので、少しでもより良い方法を取り入れたいものです。子供のやわらかい歯を守ってあげることができるのは、ママさんパパさんだけ。

そこで、虫歯にならないための日頃のケア方法やオススメの虫歯予防グッズについてまとめてみました。

虫歯予防の基本は歯科での定期検診

今は、子供の歯に対する親の意識が高いため、乳歯の頃から「虫歯にならないように」とさまざまなケアを試行錯誤しているというママさんが多いそう。とくに「歯科で定期検診を受けている」という話をよく耳にします。現在では子供の歯科への通院目的は、虫歯治療ではなく、歯の矯正を含む定期的なチェックのためなんだとか。

子供の乳歯は永久歯に比べてやわらかく、痛みを感じくいため、虫歯になりやすく進行も早いといわれています。検診を定期的に受けることで初期の虫歯や歯並びなどの問題を早期発見しましょう。「虫歯になってから、治療する」よりも「虫歯を予防するために検診を受ける」方が、子供の負担も軽くなりますよね。

歯科での定期検診では次のようなことを行います。

・虫歯のチェック ・歯の清掃 ・フッ素(フッ化物)の塗布 ・シーラント処置 ・正しい歯ブラシの選び方 ・ブラッシング指導 ・虫歯予防のための個別指導

など、歯科によって実施する項目は多少変わってきますが、このようなことを受けることができます。 虫歯や噛み合わせなどの変化を早期発見・早期治療すること以外にも、定期的に検診を受けるメリットは、大きく分けて4つ。

その1:歯垢や歯石を取り除いてもらえるということ

歯ブラシで取り切れなかった歯垢は、虫歯や歯周病の大きな原因になります。取り残した頑固な歯垢は定期的に歯科で取り除いてもらうと安心ですね。また、歯と歯茎の境い目や歯と歯の間にできた、石のように固い歯石は普段の歯磨きでは取り除くことができず、そのままにしておくと歯肉を圧迫し歯周病などの要因にも。歯石も検診時に取り除いてもらいましょう。

歯石を取る際、子供は見慣れない機械や大きな音に驚いて泣いてしまうことがよくあります。少しでも安心できるように、歯科に行く前に「ブィーンって、歯のお掃除をしてぴかぴかにするよ!」など状況を事前に説明してあげましょう。泣いているのを見るとなんだかかわいそうに思うかもしれません。しかし定期的に歯石を取り除くことで、辛い虫歯の予防になるということを覚えておいてください。

その2:虫歯予防の一環として行う、フッ素塗布

フッ素は歯を健康な状態に戻す助けをし、虫歯菌の活動を抑制するので虫歯予防には効果的です。ただ、誤って飲み込んだりすると、嘔吐や腹痛、下痢などの症状を引き起こすといわれています。上手にうがいができない幼い子供に自宅で使用するのはなんだか不安ですよね。フッ素塗布は歯医者さんにお任せしましょう!

その3:シーラント処置

皆さまはシーラント処置をご存知ですか?シーラントとは、虫歯になりやすい歯の凹凸をプラスチックで埋め、虫歯菌から歯を守る予防方法です。「乳歯は永久歯に生え変わるから、そんな処置しなくくてもいいんじゃないの?」そう思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしそれは大きな間違いです。1度虫歯になると、他の歯もどんどん虫歯になりやすくなるといわれています。

また、乳歯が虫歯になるとそこから生える永久歯も虫歯菌に感染し、悪影響を及ぼすことも。また、シーラントは予防歯科のための施術でありながら、保険適用内で行えるのも魅力的です。

その4:歯医者さんが個別の指導を行ってくれるということ

子供によって歯並びや食生活、生活リズムなどの違いがあるため、適した磨き方や虫歯予防に必要な日頃のケアにも個人差があります。実際に歯医者さんに口腔内を把握してもらい、子供にあった歯ブラシの選び方から、歯ブラシの当て方、磨き残しの多い部分などを教えてもらいましょう。またあらかじめ子供の歯の状態を診せておき、いつでも歯医者さんに悩みを相談できるよう、信頼関係を気づいておくことがベストです!

このように歯科での定期検診は、虫歯の有無や歯並びをチェックするだけではありません。自宅ではできないケアであったり、普段の歯磨きでは落としきれなかった汚れの除去を行います。歯科での定期検診を受ける大切さ、わかっていただけたのではないでしょうか?

「でも定期検診って、高いんじゃないの?」

本来、予防のための治療というのは、保険の適用外となりますが、歯科での定期検診は子供の医療費助成の対象になり得るのです。また、磨き残しを判定するための染めだし液を使った、子供へのブラッシング指導や、歯を強くするためのフッ素塗布なども助成の対象に。しかし子供の医療費助成でできる処置は、それぞれの歯科クリニックでも異なることがあるので、事前に問い合わせを行うと安心です。

子供の虫歯予防については、基本的にプロにお任せしましょう。しかし、日頃からのケアももちろん大切。自宅では、定期検診で歯医者さんに教えてもらったケアの徹底に努めると良いでしょう。

虫歯にならない歯みがきの基礎知識

次は自分でできる虫歯予防についてご紹介します。

虫歯予防のためにも使う歯みがき粉にはこだわってあげたい!しかし、そもそも種類がたくさんあってどれを選んであげたら良いのかわからないといった人や、なんとなくで良さそうな歯みがき粉を選んでしまっているという人が多いのでは?そこでまずは歯みがき粉のタイプ別に、それぞれの特徴を解説します。

ジェル状歯みがき粉の特徴

・泡がたちにくい ・シリカベース ・研磨剤不使用 ・刺激が少ない ・口腔内での分散性・浸透性が高い ・歯の汚れがうまく落ちない場合がある

まず1番の特徴としてあげられるのは、歯みがき粉を泡立たせる発泡剤という成分が入っていないため、ゴシゴシ磨いても泡立ちにくいということです。子供は上手に歯みがき粉を口に含んでおくことができないため、泡立つ歯みがき粉を使ってしまうと「口から泡が垂れちゃう」といったことがよく起こるため、泡立ちにくいものは子供用の歯みがき粉として人気。また歯の表面をすり減らす原因となる研磨剤が不使用であることや、刺激が少ないため子供のやわらかな歯を磨くには向いているといえます。

しかし、ジェル状歯みがき粉では研磨剤が入っていないため、歯の汚れがうまく取れないことがよくあるそう。だからこそ、正しいブラッシングが求められます。子供の歯のどこに磨き残しが多いのか、歯ブラシはどう当てると効果的に磨けるのかなど正しい磨き方の基本を知っていなければなりません。また、ジェル独特の感触が苦手だというお子さまも多く、ゼリーなどに似ているためお菓子と勘違いして飲み込んでしまうお子さまもいるとか。

ペースト状歯みがき粉の特徴

・泡が立ちやすく、汚れが落ちやすい ・カルシウムベース ・ホワイトニング効果が期待できる ・研磨剤が入っているので歯を傷つけることがある

ペースト状歯みがき粉の1番の特徴は、口腔内を清掃する粒子がふくまれているため汚れが落としやすいということです。歯磨きをする1番の目的は歯の汚れを落とすことなので、ペースト状歯みがき粉が主流になっている意味がよくわかりますよね。

しかし研磨剤が入っているため、力いっぱい磨いてしまうと歯の表面を傷つけてしまいます。力加減には注意が必要!子供の歯を磨く力加減は、100~150gほどが目安といわれています。一度キッチンスケールを使って、力加減を試してみましょう!子供の歯はやわからいですが、割れ物を扱うように慎重に磨く必要はありません。歯ブラシの毛先の弾力を上手に利用すると上手に磨くことができます。

自分にあった歯みがき粉を選びましょう

ジェル状とペースト状にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、どちらを選べばいいのかわからないと思った方も多いのではないでしょうか?しかし最近では、素材や製剤化技術の向上により外観の違い以外の差はなくってきているといわれています。虫歯予防の効果は歯みがき粉の種類で決まるというよりは、正しくブラッシングできるかで決まるのでお子さまが嫌がらないもの、使いやすいものを選ぶようにしましょう!ジェル状やペースト状以外にも、泡で出てくるフォーム状の歯みがき粉や、忙しい時に歯磨きの代わりに行ったり歯磨きの仕上げとして使用する洗口液などの商品もたくさん販売されているので、試してみるのもいいかもしれません。

使いやすい形状が見つかったら、次は配合成分に注目!最近では歯をつよくするフッ素配合のものや虫歯が住みにくい口内環境を作る乳酸菌入りのもの、虫歯の成長を食い止めるラクトフェリン入りのものなど汚れを落とす以外の効果が充実した歯みがき粉も販売されています。さらに歯周病やホワイトニング、口臭、知覚過敏などの特定のお悩みに特化したものもあるので、自分の目的にあったものを選びましょう。

時間は?タイミングは?正しい歯磨きの仕方

一般的に子供の理想的な歯みがき時間は3分。生えている歯の本数や歯並びの違いによって、歯の汚れを落とすのに必要な時間は多少変わりますが、実際に磨いてみるとずいぶん長いように感じるかもしれません。しかし歯の表面にこびりついた歯垢は、歯ブラシで20回程度こすらないと落ちないといわれいています。1本1本を意識して丁寧に磨きましょう!

また食べ物や食べかすが口内に残っている状態は、虫歯菌にとって絶好のターゲットになります。「食べたら磨く」を徹底しましょう。食後、虫歯になりやすくなるのには大きく分けて2つの理由があります。1つ目は、口内に残っている食べかすの糖分を虫歯菌が分解し、歯垢を作り出すから。この歯垢が歯を溶かし、表面がザラザラになった状態、それが虫歯の始まりです。2つ目は、食後は口内が虫歯になりやすい状態になるため。私たちの口内は食べたり飲んだりすると、食べ物の酸や常在菌が出す酸により、口腔内PH(ペーハー)が酸性に傾きます。この状態が長く続いてしまうと、歯をコーティングしている硬いエナメル質が溶け、虫歯になりやすくなるといわれているんです。

毎食後、そしておやつを食べた後も歯磨きをするのが理想的ですが、忙しい毎日の中で1日3回も4回も歯磨きをしてあげることはなかなか難しいですよね。そんな時は簡単にできる洗口液を使用したり、うがいをするだけでもかまいません。歯磨きで大切なのは、回数よりも質。夜、じっくり時間をかけて歯みがきを行っていれば、着いたばかりの汚れならだいたいは水で洗い流すことができます。また、睡眠中はとくに虫歯菌が増殖しやすいため、寝る前の歯磨きでどれだけキレイにできるかが重要です。1日1回はしっかりと時間をかけて、丁寧に磨いてあげてください。

虫歯予防のオススメグッズ

続いては子供にオススメの虫歯予防グッズをご紹介します。最近は、歯ブラシや歯磨き粉以外にもデンタルフロスや電動歯ブラシ、歯間ブラシなどさまざまなケア商品が販売されていますよね。それぞれの特徴を押さえ、普段の虫歯予防に上手に活用してみてください。

デンタルフロス

歯と歯の間の汚れを取るのにとても便利。弾力のあるナイロンの糸でべったりこびりついた歯垢や、歯ブラシでは落とせない汚れをかき出します。歯のすき間が多い乳歯の頃はとくに汚れが溜まりやすいので、デンタルフロスの使用がオススメ。歯の本数が増えだす1歳半頃から仕上げみがきの後に使用するといいでしょう。

デンタルフロスには2つの種類があり、ナイロンの糸を手に巻き付けて使う「糸巻きタイプ」と糸があらかじめホルダーについている「ホルダータイプ」です。子供に使用する際は、ホルダータイプが使いやすいと思います。また子供が嫌がらないように甘いフレーバーのついたデンタルフロスを販使いのも良いかもしれません。

使う時は、歯肉を傷めないように力加減には注意が必要。フロスを歯の奥まで入れすぎると、やわらかい子供の歯肉はすぐに傷付いてしまいます。使用する時は歯に対してゆっくり斜めに入れ、歯に沿わせるようにしてやさしく前後、上下に動かしましょう。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシは電気の力で細かくヘッドが振動し、汚れを落とす歯ブラシのことです。自分で歯ブラシを動かして磨くよりも効率良く磨くことができ、さらにぶるぶる震えるので歯磨き嫌いの子供でも楽しく使用することができます。正しく使えば、とっても便利です。しかし、幼い子供が使いこなすのはなかなか難しいのが現状。ブラシの歯への当て方を歯科で練習するのも一つの手かもしれません。難しいようであれば、仕上げ磨きの時だけでも使うと良いでしょう。

電動歯ブラシを選ぶときのポイントは、3つ。まずは子供用の電動歯ブラシを使うようにしましょう。対象年齢が書いてあるものがほとんどなので、そちらを参考に。2つ目は、小さめのヘッド、かつブラシの毛先が丸いものを選ぶことです。子供の口のサイズに合っていなかったり、毛先が鋭いものを使用すると、キレイに磨けないだけではなく口内を傷つける原因にもなるので注意が必要です。最後に3つ目は、太くて握りやすいグリップを選ぶこと。振動するブラシを握り続けることは、幼い子供にとっては大変なことです。しっかりと力が入るように、太くて握りやすいものを選ぶと良いでしょう。

また通常の歯ブラシも同様ですが、ブラシの交換はこまめに行うよう、心がけてください。交換の目安は約1ヶ月。歯ブラシを後ろからみて、毛が飛び出していたら交換の合図です。毛先の弾力がなくなると汚れが落ちづらくなり、歯のすき間を上手に磨けない原因になります。

電動歯ブラシの正しい使い方は、歯に軽く当てるだけ。ごしごしと磨く必要はありません。ヘッドを歯茎に対して45度程度斜めにして当てると良いといわれています。磨き残しを防ぐためにも、「右上の奥歯から」といったように磨く順番を決めておくと良いでしょう。上手に使いこなすことができれば、強い味方になってくれる電動歯ブラシ。始めは近くで見守ってあげるなどして、磨く練習をするといいかもしれません。

キシリトールガム、タブレット

キシリトールは、いちごなどの果実やレタス、カリフラワーなどの野菜にも含まれている天然の甘味料で、砂糖と同じくらいの甘味があります。このキシリトールが入ったガムやタブレットは、虫歯予防になるだけではなく歯の強化もしてくれる優れものなんです。虫歯予防になることはもちろん、甘みのあるガムやタブレットを食べるだけなので子供も嫌がらないとママさんの間で大人気!使うタイミングとしては、歯磨きの後がオススメです。口内に食べかすがない状態で使用するとキシリトールの成分が隅々まで行きわたり、十分な効果を発揮してくれます。また歯磨きをする時間が取れない時はうがい後にキシリトール製品を使用したり、おやつの最後にキシリトール入りのガムやタブレットを食べさせてあげるなど、普段のケアにプラスして上手に活用してみてください。

キシリトールのガムやタブレットを購入する際は、キシリトールの含有量に注目し、シュガーレスのものを選ぶようにしましょう。キシリトールが配合されていても、量が少なければ十分な効果は期待できません。甘味料のうちの半分以上がキシリトールでできているものを選ぶと良いでしょう。また、キシリトールが含まれていてもその他の虫歯になりやすい甘味料が使用されていれば何の意味もありません。正しく虫歯予防するためにもキシリトール製品を購入する際は、歯医者での購入を検討してみてください。

ガムとタブレットのどちらがいいか迷った時は、キシリトールガムを選ぶと良いでしょう。ガムがオススメな理由としては、よく噛むことでだ液の分泌につながるから。だ液は食べかすなどの汚れを洗い流すだけではなく、含まれる重炭酸やたんぱく質のおかげで歯が溶けるとのを予防したり、歯をつよくする効果もあるんです!ガムを上手に食べることができない子供には、口の中で自然に溶けてなくなるタブレットを選んであげてください。

シュガーレスのものであれば、寝る前に食べさせても問題ありません。歯磨き嫌いの子供には、歯みがき後のごほうびとしてキシリトール入りのガムやタブレットをあげると楽しく歯磨きができるかもしれません。

今回ご紹介したもの以外にも、歯間ブラシや染め出し液、デンタルミラーなど歯のケア用品はたくさんあります。磨き残しのチェックをしたり、子供の歯みがきに対する興味を引き出すためにも色々なものを試して見ると良いでしょう。

虫歯になりにくい口内環境づくりも大切

最後に、虫歯予防のために日常生活で気を付けたいことをご紹介します。

まずは口内を酸性の状態にしないこと、つまり虫歯になりやすい環境にしないことです。そのために、口内に食べ物や食べかすが残っている状態をできるだけ短くしてあげることが大切。ご飯やおやつのダラダラ食べに注意してください。食後、何も食べないでいると、だ液のおかげで口内の食べかすが洗い流され、酸性の状態は徐々に中和されていきます。ところが、ダラダラと食べ続けていたりしょっちゅう何かを食べていると、口内はずっと酸性のままで、だ液の効果が追いつきません。食事やおやつは時間を決めて食べるようにしましょう。1回のおやつ時間の目安は20~30分が適切だといわれています。また食べかすを残さないためにも、食事やおやつと一緒に飲み物も出してあげるといいかもしれません。

また、おやつを選ぶ際にはダラダラ食べにならないこと、歯に付着しにくいもの、砂糖の使用量に注目して選びましょう。ゼリーやプリンなどは甘くて美味しいですが、使用されている砂糖の量は意外と少な目なんです。チョコレート100gには52gもの糖分が含まれているのに対し、カスタードプリン1個(100g)に含まれる糖分は12g程度といわれています。驚きですよね。またツルっとして歯に残りにくいためオススメです。その他にも歯を丈夫にするカルシウムが豊富に含まれているチーズや無糖ヨーグルトなども健康的!カルシウムはおやつとしてだけではなく、食事にも積極的に取り入れるようにしてください。

砂糖は虫歯の大好物といわれていますが、砂糖の摂取量と虫歯のなりやすさは単純には相関しません。問題は食べた後どうするかということと、摂取頻度です。子供のおやつや糖分の摂取も、成長のために必要な栄養素なので「食べない」ではなく、どのようにケアしていくかということを大切にしてくださいね。

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