甲状腺ってなに?

“甲状腺”と聞いたことがあっても実際どんなものなのか知らないという人、多いのではないでしょうか。
実をいいますと、私は甲状腺に疾患を抱え投薬治療中の身です。
半年ほど前、ドクターから「血液検査で出た数値に異常が見つかったから、甲状腺を詳しく検査しましょう」と宣告され動揺してしまいました。なにせほとんど…いえ、まったく知識がなかったので、戸惑うことしか出来なかったのを覚えています。

甲状腺は臓器です。腺(せん)というから筋なのかな? なんて薄っすら想像していたのですが、男性も女性も、みんな持っている臓器でした。
首の喉仏(のどぼとけ)の下にあり、チョウチョのような形状で気管にくっついています。正常な甲状腺は小さくてやわらかいので、首を触ってもどこにあるのかわかりません。心臓や胃と同じで、この辺にあるんだなと感じてみてください。
甲状腺の一番重要な役割はホルモンを作ること。
昆布などに多く含まれる“ヨウ素”を原料に、“甲状腺ホルモン”を生成します。

甲状腺は人間みんなが持っている臓器であり、首の前側に位置し、ホルモンを作っているということがわかりました。
では“甲状腺が作り出すホルモン”はどんな働きをしているのでしょうか?

参考:医大前内科クリニック
http://www.idaimae-naika.com/thyroid/

甲状腺ホルモンが身体にもたらす影響

甲状腺ホルモンは密かに大活躍している臓器なんです。
人間はおよそ37兆個の細胞で作られています。骨も臓器も皮膚も髪の毛も、すべて新陳代謝により、成長したり新しく生まれ変わったりしているのです。その大切な新陳代謝を調節しているのが“甲状腺ホルモン”
私たちが毎日快適に過ごせるのは、動いている間も眠っている間も、絶えず新陳代謝を繰り返してくれているおかげなのですね。加えて胎児や子供の成長にも欠かせない働きを担っています。

その大切な甲状腺ホルモン、分泌量が多すぎても少なすぎてもいけません。
分泌量はものすごくびっくりするくらい微量なのですが、正常の範囲をはみ出してしまうと身体に不調が出てしまします。

参考:金地病院
http://www.kanaji.jp/koujyousen_2/

甲状腺の病気

甲状腺の機能に異常があったとしても、症状との結びつきができないことが多く、すぐに「甲状腺の検査をしよう」とは思いつきません。実際に軽度の異常を何年も抱えているケースが多くみられ、知識のある・なしで発見までの道のりが大きく変わります。
身体に変調が起こった時に「もしかしたら…」とピンとくるために、病気の種類を見ておきましょう。

甲状腺に関わる疾患にはいくつかの種類があります。

ホルモンの合成や分泌に異常がある、【甲状腺亢進症=バセドウ病】【甲状腺機能低下症=橋本病】。この2つは原因も症状も対極的です。
患者数も多く発症年齢も幅広いので、耳にしたことがあるのではないでしょうか。自己免疫が甲状腺を攻撃してしまうため、ホルモン異常を引き起こしてしまいます。「自己免疫疾患」と呼ばれる病気のひとつで、冒頭でお伝えした通り、私も“橋本病”で治療中の身なのです。

この2つの疾患は妊娠と深く関わっており、知っておいて欲しいことがたくさんあります。
後のコラムでじっくりと紐解いていきますね。

“腫瘍性疾患”には、ホルモンに異常はなく甲状腺が腫れる【単純性甲状腺腫】や、甲状腺の一部が腫れてしまう【亜急性甲状腺炎】があります。亜急性甲状腺炎はウイルスが原因と考えられる一時的な疾患で、特徴は痛みがあること。発熱して喉が痛いという症状のため、てっきり風邪だろうと思い込んでしまいそうですね。

妊娠初期になんらかの原因で甲状腺ホルモンが血中に漏れ出てしまい、一時的に数値が上昇してしまう【無痛性甲状腺炎】という疾患も。産後に出やすい説もありますが、自然に元に戻るので気付かない人も多いかもしれません。

妊娠時に一時的にホルモン数値が上昇してまう【妊娠時一過性甲状腺機能亢進症】。正常値よりほんの少し高い程度なので、基本的に治療の必要はありません。妊娠14~15週頃には落ち着くと言われていますが、悪阻がひどいのが特徴なので、実はこれが原因で苦しんでいる方もいるのです。

シコリができてしまう疾患は約95%が良性【結節性甲状腺腫】なので、もし腫瘍が見つかっても慌てずに検査結果を待ちます。良性のシコリは、注射器で液を抜くだけなど、なるべく手術しない方針に変わってきているので、身体への負担も少なくていいですね。
悪性だと【甲状腺がん】で手術が必要になることも。

疾患の種類だけでも、たくさんありすぎて混乱してしまいそうです。
小さい臓器がこんなにも大切な役割を担っていたなんて、知らないことが多すぎて驚いてしまいませんか。

参考:総合南東北病院
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200808/clinic.htm
参考:田尻クリニック
https://www.j-tajiri.or.jp/beginner/q1/

甲状腺疾患の原因

病気・疾患の種類がたくさんあることはわかりました。では原因はなんでしょうか。
甲状腺ホルモンの分泌異常や自己免疫がエラーを起こして攻撃してしまう、それが引き金になり発症することもあります。一体なぜそうなってしまうのでしょうか。

妊娠や出産、ウイルスやヨードの過剰摂取、はたまた遺伝という説まで…。所説ありますが、実ははっきりとした原因は不明なんです。驚きの連続ですよね。これだけたくさんの疾患が研究され病名が付き、そのメカニズムが解明されているのに、肝心な原因はほとんどわからないだなんて。

人間の身体は神秘的だ、なんてことでは済まない事態ですよね。
ヨードの過剰摂取と言われても、“島国にっぽん”でお出汁や海藻を普段から食べているので、どれくらいが上限なのかわかりません。わかったとしても、恐らく個人差と言われることでしょう。その他に関しては防ぎようがないですよね。
だからこそ大切になってくのが、関心を持ち知ろうとすること。正しい知識を準備して、来るべき変調に備えることが大切です。

参考:友部セントラルクリニック
http://www.tomobe-cc.net/tounyo-koujyosen.html

どんな症状に気をつけるべき?

日頃生活する中で、「普段と違う」と感じることはありますか? 私は不調があっても、産後だから仕方ない…疲れているのかな? 生理のせいかな? と流していました。
橋本病が発覚するきっかけも不妊治療をする中で数回の流産を経験し、不育症の疑いが浮上したからなのです。順調に妊娠出産を迎えていたら、今もなお病気と知らずに“消えない倦怠感”を抱えて過ごしていたかもしれません。

当時の私は血液検査の結果を見た瞬間、こう思いました。「もっと早く知って治療していれば、あの命は救えたかもしれない。」実際は“胎児の染色体異常による流産”の可能性が高いのですが、もしかして…という心のモヤモヤは簡単には拭いきれませんでした。

振り返ってみれば思い当たる症状がいくつかありました。
異常な寒がり・むくみ・ずっと眠い・つきまとう倦怠感・太りやすく痩せにくい。年齢的にも基礎代謝が落ちているだろうから、太りやすいのは仕方ないと世の中の大半の女性は思っているのではないでしょうか。

対照的なのがバセドウ病の症状です。新陳代謝が活発になり過ぎて、まるで一日中走っているかのような状態になってしまします。寝付けなかったりイライラしたり、汗をかきやすくなったりと、PMS(月経前症候群)とも似通った自覚症状なので、病気だと思わずに過ごしてしまいそうです。

私の経験からもわかるように、甲状腺疾患のいくつかは“自覚症状”が曖昧なので見落としがちなのですね。

わかりやすい症状として現れるのは、腫瘍ができている時です。
飲み込みにくいなど喉に違和感を覚え触ってみたら、首が腫れていたり、硬い感触があったりシコリのようなものを発見したり。腫瘍の80%~90%は良性と言われています。
良性の場合治療が必要ないこともありますので、まずは甲状腺の検査をしている病院を探して受診してください。とくに痛みを伴う時は早めに検査を受ければ、痛みを緩和することが可能です。

参考:サワイ健康推進課
https://goo.gl/N9Ak1L

甲状腺の検査内容

問診・診察

病院により検査方針はさまざまですが、問診・診察からスタートし、“どういう疑いがあるか”により各種検査へ移ります。

血液検査

血液検査では「甲状腺ホルモン値」「甲状腺刺激ホルモン」、「自己抗体」などの数値を分析。1時間ほどで検査結果がわかる病院もあり、その数値からたくさんの情報が読み取れます。

超音波検査

血液検査の異常あるなしを確認後、「超音波検査」で血流や腫瘍のあるなしを検査します。横になって首に少しひんやりするジェルを塗り、プラスチックの器具で優しくなでるように動かしながらエコー画像を観察。くまなくチェックし、腫瘍が見つかった場合は次の検査へ。

頸部レントゲン・シンチグラフィー診断・CT検査・ヨウ素摂取率検査など、造影剤や微量の放射線を用いる検査は妊娠中や授乳中は医師にしっかりと相談が必要です。

穿刺吸引細胞診

穿刺吸引細胞診は腫瘍の“良性・悪性”を調べるのに有効で、シコリに直接針を刺して細胞を顕微鏡にて詳しく検査します。

甲状腺ホルモンの分泌が多いと脈拍が早くなるので、心電図検査X線検査で心臓や肺の状態を確認することもあるようです。

参考:古賀駅前クリニック
http://www.koga-ekimae.com/thyroid.html
参考:耳鼻咽喉科 陽だまりクリニック
http://www.hidamariclinic.com/cytologymain.html

甲状腺と不育症の関係

甲状腺にトラブルが起きると「不妊症」「不育症」になってしまうことがあります。
排卵がうまくいかなかったり、黄体機能の働きが弱まってしまい妊娠の継続が困難になってしまったりと、妊娠に必要なステップに支障をきたしてしまう可能性が。
そう聞くと不安になってしまいますが、きちんと調べて治療すれば改善していくことができる病気です。早期発見、早期治療。ひとりで悩まず専門医の力を借りましょう。

参考:二田哲博クリニック
http://tenjin.futata-cl.jp/thyroid/thyroid_07.html

身体と対話してみませんか

女性の身体は本当に繊細です。日にち毎日変化しています。
ちょっとした不調はやり過ごし、たまにやってくる辛さには目をつぶり、時間や予定に追われて生活している方がほとんどではないでしょうか。

心配し過ぎて不安になるのは避けたいですが、身体からのSOSには自分自身で気付きたいものですね。
小さな変化が起きた時に「もしかしたら…」とピンとくるために、正しい情報をインプットしておきましょう。

次回からのコラムにて、甲状腺疾患の代表格【バセドウ病】【橋本病】について、しっかりと噛み砕いて分析していきます。
「バセドウ病=(甲状腺機能亢進症)と妊娠」

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