今回は気になるバセドウ病の症状を詳しく見ていきましょう。
細かく分析していきますので、自分に当てはまる症状がないか、考えながら読んでみてください。

頻繁に起こらない限り見逃してしまいそうな小さな症状から、生活に支障をきたしてしまいすぐに改善が必要な症状まで、バセドウ病が原因で起こる「身体と心の変化」についてまとめてみます。

【動悸・息切れ】

突然鼓動が激しくなり息苦しくなる。発作のような現象が数日に1回~1日数回など、頻度もまちまちにやってくる。動いている時だけでなく、じっとしていたり寝ている時にも起こることがあり、ダッシュした後に音が聞こえるくらい心臓がドキドキするあの感覚が、予兆もなく急に襲ってくるので驚きです。

代謝が過剰になると全身の細胞が酸素を必要と発令。その酸素を送るために心臓の働きが活発になり、動悸が起こってしまいます。

【頻脈・不整脈】

心拍数が早くなるにつれて脈や血圧も上昇。正常な心拍数は1分間に50~70回。100回を超えると頻脈と呼ばれ、バセドウ病の方では130回近くもの心拍数になることも。これはかなりツライ症状です。心拍の打ち方もドクンドクンではなくドッドッドドドド…とリズムが乱れ不整脈が出てしまいます。頻繁にこのような症状が出たら、甲状腺の異常だとは思わずに心臓の検査へ行ってしまいますね。

【暑がり・多汗】

暑さに極端に弱くなり、口や喉が渇きやすくなります。じっとしていても運動しているような状態なので、汗をたくさんかいたり水が飲みたくなるのは当然の反応なのですが、突然の発汗は日常生活に支障あり。季節に関係なく異常に汗が増えた場合は要注意です。

【食欲亢進・体重減少】

エネルギー消費のスピードが上昇しているため、いつも空腹と感じる。たくさん食べてもカロリー消費は進み、体重は減少。まれにそれを上回る食欲が暴走してしまい、体重が増加してしまうケースもあります。

【手足の震え】

交感神経が刺激されることで指先がブルブルと小刻みに震える。字を書いたり裁縫をしたりする時に震えに気付くことが多いようです。震えはバセドウ病の7~8割の人が感じる症状。病状が進むとが震えて座っていられなることもあります。

【眼球突出】


目つきがきつくなる・眼球が飛び出してくる眼球突出・まぶたが上がってしまう眼瞼後退まぶたが腫れる眼瞼腫張など、目に現れる“甲状腺関連眼症”もバセドウ病の特徴的な症状です。慢性的な目の充血や、物が二重に見える“複視”なども眼症状の1つ。眼球の後ろ側にある脂肪や眼球を動かす筋肉などが炎症などによって肥大化してしまうため、目や見え方に変化が出るのです。バセドウ病の約3割の方に出ると言われていますが、喫煙者に多く、治療のスタートと同時に禁煙もススメられています。

【首が腫れる】

甲状腺が炎症し首が腫れてくる。正常であれば甲状腺がどこにあるのか触ってもわかりませんが、少しでも腫れると輪郭が目立つので触ることができます。押すと痛みを感じることも。

【疲れやすい・倦怠感】

安静にしていても身体は活発に動いている状態になっているので、体力の消耗が激しくとても疲れやすくなります。朝起きるのがツラいと感じたり、栄養をどんどん消費してしまうため筋力が落ちたように感じたり。ちょっとした階段の上り下りでもすぐに疲れてしまうので、出掛けるのがおっくうだなと感じてしまいます。

【微熱が続く】

月経のリズムに関係なく、風邪でもないのに微熱が続く。高熱ではないので普段通りの生活を続けてしまいがちですが、気怠さや不眠と合わさると身体にはかなりの負担です。

【下痢・軟便】

新陳代謝のスピードがはやいため、腸のぜん動運動が活発になり過ぎて下痢軟便が続く。交感神経の緊張が引き金になっている場合もあります。

【無排卵・月経不順】

甲状腺ホルモンの生成・分泌が乱れてしまうと、排卵が起こらなかったり周期が乱れてしまったりと、妊娠しにくい状況に陥ってしまう。自覚しにくいので、これだけではなかなか甲状腺の異常に気付けないことが多い。

【コレステロールや中性脂肪が著しく低下】

新陳代謝が活発なため、コレステロール中性脂肪を下げ過ぎてしまう。中性脂肪は筋肉や心臓を動かす働きや、体温を一定に保つの役割もあり、下がりすぎるとさまざまな不調を招いてしまいます。
女性の大敵である肌トラブルの原因にもなるので要注意。

【皮膚病・脱毛】

皮膚が薄くなって敏感肌になる。新陳代謝が活発なので皮脂が増えニキビや汗疹ができやすい。甲状腺ホルモンの構造が皮膚色素メラニンと似ているため、肌黒になることも。まれに脛の前部の皮膚が腫れて赤くなる「前脛骨粘液水腫」という痛みもない謎の症状が出ますが、原因も不明です。
毛髪の新陳代謝も活発すぎるので短くやわらかい毛が抜けやすい状態。

【イライラ・感情の変化】

精神の安定をつかさどる交感神経が緊張状態にあるため、イライラしやすくなったり、感情の起伏が激しくなったりしがち。音や光に敏感になるので、興奮しやすい状態に陥ることも。生理前のPMSと似ているため、これも見逃されてしまいやすい症状です。

【睡眠障害】

寝つきが悪い。やっと眠れても深く眠れず、途中で目覚めたり悪夢にうなされたり。
睡眠の質が低下することで集中力も落ち、疲れやすさも感じやすくなります。
また、日常の動きをしているだけで疲れやすくなり、休息や昼寝を欲するようになる。仕事や家事をやろうと取り掛かっても、最後までやり遂げることができない。簡単にできていたことがうまくいかなくなり、物を落とす・つまずく・身体がついてこないなど、不調が続きます。

【知的機能障害】

物事への反応が遅くなり、集中力思考力処理能力が低下。物忘れが多くなったり、人や物の名前が覚えられなくなったりと、生活の効率が落ちてしまいます。

                  

どうでしょうか?いくつ当てはまりましたか?
女性には月経周期というリズムがあるので、生理前のPMS(月経前症候群)の時期にチェックすると、かなり当てはまってしまうのではないでしょうか?

バセドウ病が招いてしまうすべての症状は、【新陳代謝の亢進と交感神経の緊張】が原因と考えられています。しかし症状の重症度は甲状腺ホルモンのレベルとは関連していないことが多く、まだまだ解明の途中です。

動悸・頻脈・震え・眼球突出…これらはバセドウ病特有の症状と言えますので、これらの症状に心当たりがあれば、はやめに受診してドクターへ相談してみてください。

いくつかの項目に当てはまるけれど、病院に行くほどではないかな…と思っている方も、日記や基礎体温の記録をはじめるなど、自分と向き合うきっかけにして欲しいです。

女性の体調は揺らぐもの。今日は絶好調でも明日は予想できません。
「疲れが溜まっているだけだろう、年齢のせいかしら、生理前だから仕方ない」と、病気の発見が遅れてしまうことが症状の悪化に繋がってしまう可能性があります。

“妊娠を望むときに妊娠できる身体”というのは女性の健康状態でいうとベストに近いと考えます。適齢期が来たら妊娠できるだろう…という甘い考えは捨てて、日々身体と対話することで“早期発見・早期治療”に繋がっていくのです。

突然何かしらの変調が訪れた時に、この症状はどんな病気の予兆なのか・どんな病院へ行ったらいいかを思い浮かべることができるように、準備しておきましょう。

参考文献:やさしく解説甲状腺疾患の診断と治療
著 者 窪田 純久
発行者 小立 鉦彦
発行所 株式会社 南江堂
2016年9月15日発行

参考:東京女子医科大学
https://goo.gl/fiJBFu
参考:長崎甲状腺クリニック
https://www.nagasaki-clinic.com/der/#derma
参考:田尻クリニック
https://www.j-tajiri.or.jp/old/faq/01.html

次の記事はバセドウ病の治療について、より詳しく学んでいきましょう。
「バセドウ病の治療」

前回記事ではバセドウ病と妊娠について解説しています。気になる方はこちらをご覧ください。
「バセドウ病=(甲状腺機能亢進症)と妊娠」

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