バースプランをたてよう

出産準備のひとつに「バースプラン」というものがあります。これはその名の通り、出産計画のこと。どんなお産をしたいか、産後から退院するまでの間どのように過ごしたいかを計画することを言います。
とくに初めての出産の場合は、何が何だかわからないまま出産し、あっという間に退院なんてことになってしまうことも。人生の一大イベント、せっかくならできる限り自分の希望に沿ったお産をしたいですよね。そのためにもバースプランは、産院と妊婦さんをつなぐとても有効なコミュニケーションツールなのです。

すでに理想とする出産方法がある場合、妊娠前もしくは妊娠がわかってから早い段階でバースプランを立てておくのもよいでしょう。産院の特徴や、できる出産方法はそれぞれ異なります。
事前にいろいろな産院の情報を調べておくと、シミュレーションできる時間も持てますし、妊娠から通院、出産までへ向けての準備もスムーズにできるので、ぜひ希望に合った出産スタイルを探してバースプランを立ててみてくださいね。

    

自分に合った分娩方法は?

自然分娩無痛分娩帝王切開という出産方法はほとんどの方が耳にしたことがあるものだと思います。このほかにも数多くの出産方法があり、それらの中から自分のスタイルに合った方法を見つけることが大切です。では出産方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

出産方法は大きく分けると二つ。まず、一般的なのは自然分娩と呼ばれるもの。これは名前の通り、自然に任せて妊婦さんが自力でお産をするスタイルです。分娩の途中で吸引分娩や鉗子分娩が行われたり、陣痛促進剤を使用したとしても、産道を通っている経腟分娩となるのでこれらも自然分娩となります。そしてこの自然分娩の中でも、呼吸法や出産する場所、どのようなスタイルで出産するかなどで様々な分娩方法に分かれているんですね。
例えば無痛分娩和痛分娩ソフロロジーLDR水中出産フリースタイル出産など。

そしてもう一つは帝王切開と呼ばれるもの。これは医療処置を行う分娩で、何らかの原因で経腟分娩に適さないと判断された場合に手術で出産する方法のこと。帝王切開には予定帝王切開緊急帝王切開があります。
予定帝王切開は逆子、多胎児や前置胎盤など、あらかじめ経腟分娩が難しいと判断された場合に事前に予定して手術を行うこと。
緊急帝王切開は妊娠中や出産中に母体になんらかの異変が起こり、すぐに対応しなければいけない時に行われます。

自然に任せたお産がしたいという方や、どうしても無痛じゃなきゃイヤ、という方もいるでしょう。また、立ち合い出産を希望される方の中にはパートナーの仕事の兼ね合いもあって、計画出産を希望される方など本当にさまざまです。どこの産院でどんなお産ができるのか、費用なども含めて事前に調べた上で自分に合った分娩方法を決めておきましょう。

    

お好みの出産スタイルを見つけよう!

前述のとおり、自然分娩の中には呼吸法や出産場所、スタイルによってさまざまな方法があります。どのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴も合わせて見ていきましょう。

    

ソフロロジー

最近では多くの産院で取り入れている出産方法です。ソフロロジーとはラテン語で「心を落ち着かせる」という意味があり、陣痛の痛みを受け入れる練習をすることで出産や陣痛の恐怖を和らげていくという方法。出産時は痛みや不安で緊張してしまうことによって、体が硬直し子宮口も固くなってしまいます。さらに、ママが緊張して呼吸が浅くなるとお腹の中の赤ちゃんにも酸素や血液が届きにくくなってしまうのです。そこで、ヨガの瞑想や心を落ち着かせる深い呼吸法をヒーリングミュージックを取り入れながら練習していきます。
事前にイメージトレーニングを行うことによって、実際のお産の時も慌てずに臨めそうですね。

    

アロマ出産

こちらも最近では徐々に取り入れられているアロマ出産
アロマ出産はその名の通り、出産時にアロマを使用すること。陣痛の強さに合わせて痛みを緩和する香りや、お産を進める香りのアロマを使用。また、妊婦さんにマッサージなどの施術を行いリラックス効果を高めていきます。主にヨーロッパでは古くからお産の時にアロマを使用しているそう。
リラックス効果は抜群なので、アロマの香りがお好きな方にはぜひオススメしたい方法のひとつです。

    

フリースタイル出産

フリースタイル出産とはムリのない、自由な体位で行う出産のこと。
出産時の体位といえば、一般的にはいわゆる仰向け(仰臥位分娩)を想像しますよね。それ以外にも体位はいろいろありますが、どちらがよりよいなどという医学的根拠はなく、それぞれにメリットデメリットがあると考えられています。
ですので、ここで優先されるのは、妊婦さん自身が一番楽だと感じるムリのない体位で出産するということ。
横向き(側臥位)の姿勢や四つん這いのポーズを取ったり、産み綱と呼ばれる天井から下げられた綱につかまって産む方法もあります。
一見普通の出産スタイルではないのでびっくりされる方もいますが、実際には分娩台に寝るのと比べると母体や胎児に負担が少ないため、日本だけではなく世界でも注目されている出産スタイルなんです。

    

LDR

これは陣痛室・分娩室・回復室が一つになった部屋のこと。一般的には妊婦さんは分娩の直前に陣痛室から分娩室へ移動し、分娩後は回復室へ。しかしLDRはこれらすべてが一つの部屋で行えるので、妊婦さんにとっても身体への負担が少なく済みます。私もLDRのある病院で出産したので経験としては、痛みを我慢しながら移動することがないので身体だけでなく、精神的にも負担が少なかったように思います。希望する産院にLDR室があれば、ぜひ活用してみてください。

    

アーユルヴェーダ出産

これはなかなか聞きなれない出産方法かもしれません。
アーユルヴェーダとはインドの伝統医学のことで病気の治療としてだけではなく、健康を維持して病気を予防するという予防医学のひとつです。ではこれを使った出産方法とはどのようなものなのでしょうか。
アーユルヴェーダ出産では、妊婦さんの産前産後のケアを行い、心身のバランスを整える施術をします。具体的には、ごま油を使ったオイルマッサージやよもぎ蒸しを行って全身の巡りをよくしてリラックスした状態に導くこと。さらに食事療法によって身体の調子を整えます。
この出産方法は主に助産院で行うことが多くマッサージなどの施術のほかに、ひとりひとりその日の体調に合わせて、アーユルヴェーダによる食事療法も行います。

    

水中出産

最後に、水中出産について。これはその名の通り、水の中でお産をすること。水中で産むこと以外は自然分娩とまったく同じです。体温と同じくらいの水温のプールで、羊水と同じ塩分濃度に調整して行います。陣痛からずっと水中にいると体も冷えて体力が奪われてしまうので水中にいるのは一定時間と決められており、お産の間際に水中に入ります。

私自身も水中出産を希望していたので、それができる病院を探して決めました。
初産でなぜ水中出産を希望したのかと友人にはかなり驚かれましたが私は「陣痛の痛みは味わってみたいけど、生み出すときの痛みは少しでも和らげたい」というちょっと変わったこだわりがあったからです。ほかにも、自分の周りでだれも経験したことがないことをしたかったからというのも水中出産を希望した理由のひとつでした。私が経験することでこれから出産する身近な人たちに、こんな出産方法もあるよということと、そのメリットやデメリットを伝えたかったからです。

そして実際にプール付きのLDR分娩室で、主人と母と叔母の立ち合いの元お産に臨みました。強くなっていく陣痛をベッドの上で耐えながら最後の最後やっと、いきんでいいですよの合図で裸になってプールへ移動というものでした。陣痛の痛みと、裸になることの恥ずかしさが芽生えてしまい、結局最後の最後でそのままベッドの上でお産に臨むことに。
それはそれでとてもよい経験になりましたが、やはり水中出産を経験してみたかったという心残りもあるので、もしまた出産する機会があれば今度また水中出産リベンジしたいなと思っています。

参考:一般社団法人日本助産学会
http://square.umin.ac.jp/jam/docs/ebm_guideline_childbirth2012.pdf

    

立ち合い出産は?自宅での出産も可能?

最近では一般的になっている立ち合い出産ですが、可能な産院とそうでないところがあります。立ち合いできる人数も産院によってさまざま。立ち合い出産を希望する場合には事前に産院に確認しておくとよいでしょう。
立ち合い出産をする場合、パートナーである旦那様もしくは自分のお母様に立ち合ってもらうことが多いようです。妊婦さん本人の希望が最優先ですから、立ち合いの有無はパートナーとよく話し合って決めてみてくださいね。

私が出産した病院は、家族であれば立ち合い可能だったので主人と母と叔母の三人に立ち合ってもらい出産しましたが精神的にとても心強かったです。とくに出産経験者である母は、陣痛時的確にいきみを逃すツボを押してくれたりマッサージしてくれたことで、かなり助けられました。

立ち合い出産のほかには自宅出産というものもあります。
自宅出産の一番のメリットと言えばやはりリラックスできることと、家族がいる安心感でしょうか。
しかし、自宅出産は危険だという産科医が多いのも事実です。
日常の居住空間である自宅での出産は、赤ちゃんの感染症を引き起こしかねない衛生上の問題はもちろんあります。
また、なによりも深刻なのは、リスクを持たない低リスク妊婦であっても、出産時に大量出血したり、子が仮死状態で生まれたり、母子ともに分娩の前後にはさまざまな異常が発生する可能性が十分にあり、その発生前の予測は非常に困難だということです。
その分娩の異常に自宅で適切な対応をすることは不可能で、赤ちゃんの深刻な後遺症や母子の命の危機に関わることもあります。
そもそも自宅出産は誰にでもできるものではなく、いくつかの条件があります。

・全14階前後の妊婦検診のうち3回以上受診して異常がないこと
・多胎妊娠ではないこと
・帝王切開の経験がない
・子宮の手術をしたことがない
・胎盤の位置に異常がない
・逆子ではない
・胎児に異常がない
・臍帯に異常がない
・卵膜に異常がない
・羊水に異常がない
・血液型がRH(-)ではない

これらをすべてクリアし、なおかつ妊娠37週~42週で出産する分娩を正常な妊婦分娩と言います。
自宅出産にはこの正常な妊婦分娩であることがマストなのです。
もし自宅での出産を希望される場合でも、必要不可欠な妊婦健診や各種の検査を産院できちんと受け、医師の了承のもとで助産院と相談し行ってください。

    

総合病院、産院(産科医院)、助産院、どれにする?

希望の出産方法によって、お産する場所も様々です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

まずは総合病院について。
総合病院とは複数の“科”が揃い、ベッドが100床以上の病院のこと。総合病院での出産は産科の医師が担当します。スタイルは分娩台での出産で、帝王切開や、病院によっては無痛分娩にも対応しています。
総合病院の場合は医師が担当制のため、検診と出産のときの先生が違うことも。
立ち合い出産に関していうと、産後の母子同室については病院によって異なりますので事前に確認しておくのがよいでしょう。また、総合病院でのお産の一番のメリットは、充実した医療体制。ほかの科が併設していることにより、合併症や新生児の異常にもすぐに対応できます。安全性をより重視するなら、総合病院での出産をお勧めします。

    

次に産院について。
産院とは産婦人科のみの病院で、ベッド数が20床未満の病院を指します。
それぞれの産院によって特徴や可能な出産スタイルが異なるので、希望する出産スタイルから選ぶのもよいかもしれません。総合病院に比べてアットホームな雰囲気や、部屋の設備や食事が豪華などのメリットのほか、マタニティヨガや産後の母乳指導をしてくれる産院もあります。
しかしサービスの充実により費用が高額になることも。

    

最後に、助産院ではアットホームな雰囲気の中でお産ができるのが特徴です。
通院も予約制で待つことなく、検診にもひとりひとり丁寧に時間をかけてくれます。ただし、助産院での出産は前述の自宅出産のように、いくつかの項目をクリアしていないと行うことができません。さらに、その項目に該当しない方でも出産までの傾向が良好でないと助産院で出産することはできないのです。

助産院は病院ではないので、陣痛促進剤の使用などは行わずあくまでも自然なお産を推奨しており、出産スタイルについてもフリースタイルでお産できるところがほとんど。立ち合い出産も病院より寛容で、パートナーや兄弟などの家族まで可能です。両親学級などの産前教室が多いのも特徴。助産師さんとのコミュニケーションが密にとれるので、精神的な安心感は強いでしょう。
デメリットとしては、万が一医療行為が必要になった場合は対応ができないため、緊急の場合は病院での出産になあることがあります。

どの病院にもそれぞれのメリットやデメリットがあります。場所や費用のほか、自分の希望やバースプランに合った病院を選んでみてくださいね。

    

思い出に残るお産のために

女性にとって出産とは、一生に数えるほどしかないとても貴重な経験です。
近年ではいろいろな出産スタイルができ、選択肢の幅が広がることはとてもうれしいことですよね。貴重な経験であるからこそ後悔のないように、どんな場所でどんなスタイルで出産したいのか、産後はどのように過ごしたいのかなどできる限り詳しくバースプランを立ててシミュレーションしておくことをおすすめします。

もちろんすべてがプラン通りに進むわけではないですが、少しでも希望に沿ったお産をすることで自分自身も前向きに楽しんで取り組めるのではないでしょうか。お母さんと赤ちゃんにとって、前向きであることはとても大切なことだと思います。

いつか思い出した時にも幸せな気持ちになれるような、そんな素敵なお産になりますように。

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