母乳にはどんな栄養素がある?

初めて母乳が出た時に、ママになったんだな〜と実感した人も多いですよね。
一生懸命に母乳を吸う赤ちゃんの姿を見ると、無意識に微笑んでしまうことがあるのではないでしょうか。
赤ちゃんの命をはぐくむこの母乳。実は赤ちゃんの成長によって変わっていき、成長に伴った栄養がバランス良く配合されているのをご存知ですか?

母乳には2種類があります。
生まれて5~10日間の最初、赤ちゃんにあげる母乳を「初乳」
それ以降の、母乳を「成熟乳」といいます。
それぞれ栄養素自体が大きく変わるわけではないですが、含まれている栄養素の比率が違うのです。

初乳は黄みががかっていて量が少ないのが特徴で、タンパク質やミネラルが多いため成熟乳よりも消化しやすくなっています。
出産後すぐの赤ちゃんには、ママの身体の外への免疫がほとんどなく、ママから免疫をもらわないといけません。
そのため、初乳にはこんなにもという程の栄養素がたくさん含まれています。
特に、免疫や血液をつくる栄養素が多いです。

赤ちゃんの免疫をつくるもの → ラクトフェリン、lgA
血液や血管を発達を促すもの → ビタミンE
タンパク質やDNAづくりのサポートをするもの → 亜鉛

成熟乳へ変わる頃の赤ちゃんには少しずつ免疫力がついているため、母乳中のタンパク質や免疫物質の濃度は少なくなっていきます。
その分、エネルギーの源となる乳糖や脂肪の比率が高くなるのです。
その以外の下記のような栄養素も成長に伴って増えます。

脳の発達に必要なもの → タウリン、その他の必須アミノ酸
健康な骨や正常な成長に必要なもの → カルシウム、リン
疾患を予防するもの → 亜鉛、銅、マンガン

量も赤ちゃんが成長するにつれて多くなってくるので、不足の心配はありません。
母乳は赤ちゃんにとって栄養の面でも量の面でも完璧で健康的な食事なんですね。

ただ母乳には、初乳の頃から血を固めるビタミンKがあまり含まれていません。
ビタミンKが身体に足りなくなると、出血しやすくなったり、痙攣を起こしたりすることも。
そのため、病院でビタミンKシロップを取ることが奨められています。
ママがビタミンKを多く取ると、その分母乳に含まれるそうなので普段の生活で心がけられるといいですね。納豆やホウレンソウなどに多く入っています。

参考:秋山こどもクリニック
https://www.akcl.jp/colum/co7cat2.html

参考:加古川医師会
http://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/

   

ママの栄養不足は母乳にも影響する?

「特定の食材を食べると胸が張ってしまう」という話、良く耳にしますよね。助産師さん曰く「食事は母乳の量、味、質、匂いに影響します。」とのこと。
母乳ママの血液からできています。食べ物によって血中成分が変わることもあるので、母乳に影響する可能性は大きいですよね。食事以外のことだと体調不良も母乳の栄養に関わるそうです。

ちなみに、「質がいい母乳」は青みがかった白で、あっさりした甘み。「質の悪い母乳」は、粘り気があって白〜黄の間の色。見た目で判断できると、わかりやすくていいですよね。

ただ、なかには食べ物が母乳に影響しないという助産師さんもいます。
食事への意識はできる範囲で問題なさそうです。

   

質のよい母乳のために食生活で心掛けること

授乳中によい栄養、摂るのに注意がいる栄養や食べない方がいい食品があるので紹介します。

   

授乳中によい栄養

【葉酸】
ビタミンB12と協力して血液を造る葉酸。貧血になりやすい時期なので積極的に摂りましょう。

【鉄分】
造血に必要なミネラル。妊娠中や授乳中はとくに不足しやすいといわれています。

【ビタミンC】
鉄分のようなミネラルを体に吸収しやすくしてくれます。ホルモンバランスが乱れやすい産後のお肌にいい影響も。

【カルシウム】
母乳を作るために大量に消費されるといわれています。ビタミンKやビタミンDも一緒に摂ると吸収率アップ。

サプリメントの中には、これらの成分が多く入っているものがあります。多いものでは20種類以上の栄養素が配合しているものも。
サプリメントで補給する場合は、栄養がまんべんなく摂れるものを選びましょう。

   

摂るのに注意がいる栄養

【ビタミンA】
レバーやチーズなど多く含まれています。過剰摂取をしてしまうと、赤ちゃんの運動機能や知能の発達に悪影響が出るリスクが増すので注意が必要です。ただ、レバーは鉄分が多く血液を作ってくれるというメリットもあるのでほどほどに摂るのはよいかもしれませんね。

【水銀】
妊娠中に摂ると、赤ちゃんの運動機能や知能の発達に悪影響が出るといわれてます。そもそも身体に悪い成分なので、授乳中も必ず注意してください。

   

食べない方がいい食品

生肉ナチュラルチーズなどは、授乳中まで食べることをお勧めしません。トキソプラズマという感染症の菌が含まれている可能性があるからです。
大人が感染すると大体は軽い風邪の症状が数日続くくらいで済みますが、赤ちゃんや幼児がかかってしまうと重篤になることも。
母乳をあげる時期までは、念のため身体に入れない方が安心ですね。

いろいろな栄養についてアドバイスを行いましたが、バランス良く栄養を摂取することが重要です。
普段の生活でたくさんの栄養を摂るのが難しそうな場合は、サプリメントや健康ジュースなどで補給するのもいいと思います。

参考:藤沢徳洲会病院
http://fujisawatokushukai.jp/department/pediatrics_obstetrics/obstetrics_gynecology/faq/11/

   

1歳ごろには母乳の栄養が減るって本当?

「1歳になると母乳の栄養が少なくなるらしいよ。」
噂話でよく耳にしますよね。
実際のところは、1ヶ月の母乳と1歳の母乳のカロリーは、ほとんど同じだそうです。

ただ、1歳には1歳の必要な栄養素があるので、成分は1歳の子に合ったものに変わっていきます。
子どもが1歳になった頃でも、母乳には十分な栄養や免疫成分は含まれていてるのでの安心してくださいね。

もしも母乳だけで心配な場合や子供の腹持ちが悪いと感じている場合は、離乳食やジュレなどの補助食品で補ってあげても大丈夫です。

   

世界と日本の卒乳授乳事情

母乳の期間についてもさまざまな意見がありますよね。
1歳以上あげると自立できないという意見はウソです。授乳の期間と自立できるかどうかは、関係ないとのこと。
ただ、いろいろな考え方や環境もあるので、1歳以降も授乳を続けるのか決められないママも多いですよね。
そんなママ達へ、母乳を続けるメリットとやめるメリット、機関による授乳の推奨年齢をぜひ参考にしてください。

   

母乳を長く続ける場合

・病気にかかりにくくする
・栄養バランスが良く、消化に悪い
・腸内で善玉菌を増殖させる
・母体の回復を早める
・赤ちゃんの情緒を安定させる
・反抗期の行動を最低限に抑える

   

母乳をやめる場合

・ミルクや離乳食にすることで腹持ちが良くなる
・赤ちゃんがぐっすりまとめて眠ってくれる
・妊娠希望の場合は、次の妊娠が早くなる

   

授乳事情

世界の卒乳平均年齢:4.2歳。
ただ、ユニセフ曰く「粉ミルクなどの人工乳は、先進国のみならず、今では多くの途上国でも、お金さえあれば、安易に手に入るようになりました。しかし、清潔で安全な飲料水を入手できる人の数はまだまだ限られています。また、多くが1日1ドル未満の生活を余儀なくされている状況の中で、そうした人工乳を買い続けることは容易なことではありません。」とのこと。このような背景から、先進国である日本は、もう少し低い年齢である可能性が高いです。

WHO(世界保健機構):2歳かそれ以上まで。赤ちゃんの心身に母乳がとても効果的なため、完全母乳育児を生後6ヶ月まで行い、以降2歳以上まで補助食品と一緒に母乳を続けるよう推進しています。

日本小児科学会:4歳まで。卒乳は自然に任せてよいという考えです。授乳中は、子供が一番安心できる時間なので、脳の発達が決まる3歳まではしっかりとスキンシップをとることが進められています。ちなみに、2002年の母子手帳から「断乳」の文字が無くなり断乳の有無は問われなくなりました。

どの機関も1歳より長めを推奨しています。
最低でも2倍の2歳で、思ったよりも長かったというのが本音です。
しかし授乳は、栄養を与えるだけではなく赤ちゃんの心を育ててあげるスキンシップだと聞くと期間の長さに納得しました。

ただ、長く母乳を続けたくても、仕事復帰が早いママはなかなか難しいですよね。
そんな場合は、昼間はミルクをあげてもらって、夜や朝にあげられるときに母乳をあげるなどママの都合に合わせてあげるのもいいと思います。

授乳を続けるかどうかは、栄養だけの面ではなく環境も関係していますよね。
ママや赤ちゃんどちらにとっても、いい選択肢ができるのが一番です。

参考:生馬医院
http://www.ikomaiin.com/index.php?%E6%AF%8D%E4%B9%B3%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%82%B9

参考:ユニセフ
https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_hospital.html

参考:静岡病院
http://www.hosp-shizuoka.juntendo.ac.jp/column/stork_club/2010_spring_02.html

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