妊婦さんの血圧の正常値は?病院とお家で違う理由

妊娠検診の時に毎回行う血圧測定。高いとか低いとかって自分では判断しにくいですよね。
お医者さんや看護師さんに、診断されてわかる方も多いと思います。

妊娠中の血圧には、きちんとした基準があるのです。


表1:妊娠中における血圧値の分類(mmHg)

正常血圧よりも理想的な「至適血圧」がベストですね。

また、「血圧をお家で測ると安定しているのに、病院だと数値が高い」ということはありませんか?
運動したり気持ちが高ぶったりすると血圧は上がりやすいですが、何もしていないのに病院だと上がってしまう。そのような場合、「白衣高血圧」かもしれません。
白衣高血圧とは、病院での測定に緊張やストレスを感じ血圧が高くなることをいいます。
これは、本当の高血圧ではありません。

家庭血圧が正常であればあまり問題ないとのことですので、安心してください。
病院で測定するときは少し早めに行って、身体と気持ちを落ち着かせた後に妊娠検診を受けるとよいですね。

参考:妊娠高血圧学会
http://jsshp.umin.jp/i_9-qa_use.html

参考:国内生育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-hightbp.html

参考:愛知薬剤師会
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3518.html

   

血圧が高い原因は?

落ち着いて測定しても正常血圧より高い場合は、高血圧の可能性が大きいです。

妊婦さんは高血圧になりやすいと聞いたことはありませんか?
その理由は、妊婦さんの体内ではお腹の赤ちゃんのために、通常よりも多くの血液が作られているからです。
妊婦さんが高血圧の場合、妊娠高血圧症候群だと診断される場合が多いです。

妊娠高血圧症候群とは日本産科婦人科学会により、「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または、高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものでないもの」と定義されている妊娠中特有の症状。

とくに、下記の特徴がある場合は妊娠高血圧症候群になりやすいといわれています。

・母体年齢が35歳以上
・初産
・BMI25以上または妊娠前の体重が55kg以上(BMI=体重 (kg)÷身長 (m)÷身長 (m))
・妊娠初期の最高血圧が130~139 mmHgまたは最低血圧が 80~89 mmHg

当てはまる項目があれば、より注意しましょう。

妊娠高血圧症候群は妊婦健診で異常が見つかるまで気づかないことが多く、診断後に頭痛ねむ気倦怠感などの症状があったなあと思うくらいなんだそうです。
しかし恐いことに、なってしまうとお母さんや赤ちゃんにとって悪い病気と合併する場合があります。

   

母体への影響

   

子癇(しかん)

高血圧と浮腫がひどくなることにより引き起こす痙攣(けいれん)。
痙攣が続くと、ショック状態になり、お母さんと赤ちゃんどちらも重篤状態になることがあります。

   

常位胎盤早期剥離

分娩する前に、赤ちゃんが胎盤から剥離する状態。
早期剥離が起こると、出血が止まらなくなったり、赤ちゃんやお母さんが亡くなったりする場合もあります。

   

赤ちゃんへの影響

   

子宮内胎児発育遅延

妊娠高血圧症候群が悪くなると、胎盤の状態が悪くなり赤ちゃんに届く酸素や栄養物の量が減少します。この症状が続くと、赤ちゃんの発育が悪くなり、危険な状態になるため未熟なまま帝王切開で出産しなければいけません。
弱った状態で生まれてくるので、後遺症を残す場合があったり、不幸にも亡くなってしまうことがあるそうです。

大切に育てている赤ちゃんやお母さん自身のためにも、しっかりと高血圧を予防・改善する必要がありそうですね。

参考:新ゆり大塚レディースクリニック
http://www10.plala.or.jp/olc/maternity/m0007.htm

   

運動や食事でできる! 血圧を下げる方法


高血圧は予防改善できます。妊娠高血圧症候群ではなくても高めな方や心配な方は、普段から意識して取り組みましょう。
予防と改善どちらにも効果がある方法を紹介します。

   

減塩

1日6g未満を心がけましょう。加工食品の食塩も含まれます。ただ、塩分自体は摂らないと逆に塩分不足になってしまうので、適度な摂取はしてくださいね。

   

カリウム・食物繊維・多価不飽和脂肪酸

カリウムは、ナトリウムの排泄を促して血圧を下げる役割がありオレンジや豆乳、サツマイモなどに豊富に含まれています。

食物繊維は、血中のコレステロールを減少する効果あり。納豆やこんにゃくや切り干し大根に多く入っています。

「DHA」「EPA」といった「多価不飽和脂肪酸」は、動脈硬化からくる高血圧に効果があります。青魚に多く含まれているのですが、サプリメントで気軽に補給することも可能です。その場合は、妊娠中でも飲めるものか確認が必須ですね。

   

軽い運動を行う

適度な運動ウォーキングや体操などの運動をすることで、塩分が汗となり体外に排出されます。ムリのない範囲で行いましょう。

   

お茶を飲む

ルイボスティーには、血圧を下げる効果があるといわれています。妊婦さんも飲めてリラックス効果があるのでオススメです。

ただ、緑茶やプーアル茶などカフェインが含まれているものもあり、飲みすぎるとお腹の赤ちゃんの負担になることも。注意しましょう。

   

赤ちゃんとお母さん自身のために、なるべく早く取り組めるといいですね。

参考:守口敬仁会病院
http://keijinkai-hp.net/chiryo/koketsuatsu.html

   

血圧が低いと赤ちゃんに影響することも! 原因は?

妊婦さんは血圧が上がりやすいとお話してきましたが、逆に妊婦さんがなりやすい低血圧の症状もあります。
注意してほしい症状は、「起立性低血圧」と「仰臥位低血圧症候群」です。

   

起立性低血圧

自律神経の乱れにより、下半身から脳に血液を押し上げる反応が出来なくなることにより起こります。水分量が足りないのも、原因の1つなんだそうです。
主な症状は、立ちくらみです。立ち上がったときにフラフラすることや、めまいが起きてしまう。
つわりがあったりホルモンバランスが安定していなかったりする妊娠初期に、起こりやすいといわれています。

起立性低血圧が発症して怖いのは、気を失って頭や体を強打することです。
そうなるとお母さんも赤ちゃんもとても危ないので、充分に気を付けないといけませんね。

   

仰臥(ぎょうが)位低血圧症候群

“仰臥(ぎょうが)”とは天井を向いて仰向けで寝ることだそうです。仰向けで寝ている妊婦さんのお腹により、心臓に血液を運ぶ下静脈がつぶされることにより起こります。
心臓に運ばれる血液が減り、心臓から出ていく血液も減る。そうすると、急激に血圧が低下してしまうのです。
起きやすい時期は、おなかが大きな妊娠中期~後期。臨月に近づくにつれて起こる可能性が高くなるのです。

仰臥位低血圧症候群になると身体の血が巡りにくくなるので、お母さんは意識が遠のき、気分が悪くなります。症状が重いと気絶してしまうことも。
子宮に届く血液の量も減るので、赤ちゃんの心拍数が急激に低下します。この時間は長く続くと、赤ちゃんが低酸素状態になってしまい回復が難しくなってしまうのです。

低血圧も予防改善ができます。思いあたる節があれば、何か起こる前に取り組みましょう。

参考:日本救急医学会
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0503.htm

   

症状ごとに対策! 血圧を上げるには?

自律神経の乱れによる「起立性低血圧」とお腹の重さによる「仰臥位低血圧症候群」の対策方法を、それぞれ紹介します。

   

起立性低血圧

・長時間同じ姿勢で座らない
座る時間が長ければ長いほど、血液が下に行きます。時々立ったり、足を動かしたりして血流をよくしてくださいね。

・ゆっくり立ち上がる
とくに、お風呂から上がるときは気を付けてくださいね。

・水分補給をこまめに
つわり中は水分不足になりがち。飲み物を持ち歩くいつでも飲めるので安心ですね。

   

仰臥位低血圧症候群

シムスの姿勢で寝るといいといわれています。身体の左側を下にして寝ると大静脈をつぶしません。
また、シムスの姿勢にはお腹の圧迫を抑えるだけではなく、リラックス効果もあるそうです。

シムスの姿勢

1.左側を下向きに横になる
2.左足を後ろに下げる
3.右足を前に出して曲げる
4.左腕は背中の後ろに置く
5.右腕は前の方に置く

抱き枕を使ったり、背中にグルグル巻きの毛布や布団を置いておくと安定しやすいとのこと。
普段の生活を少し意識するだけで、低血圧を予防・改善することができるんです。

参考:小阪産病院
https://www.kosaka.or.jp/utility/pdf/hellobaby_0103.pdf

   

重症な場合はお薬を処方されることも

血圧の数値が著しく悪かったり、症状が重かったりすると、血圧を調整するお薬が処方されることもあります。
低血圧よりも高血圧の妊婦さんの方が、処方される場合が多いみたいです。
妊娠中でも飲める安心な薬もあるようなので、お医者さんと相談して使用してくださいね。

お腹の赤ちゃんといっしょに健康的なマタニティー生活を送りましょう!

参考:妊娠高血圧学会
http://www.jsshp.jp/general/

参考:北海道薬剤師会
http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H24-8.pdf

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